ビジネス全般

2019.04.1

認可事業の最適な参入タイミング

PEST分析の大切さ

福祉(認可)事業の参入 するなら「民間事業者に開放されたときがチャンス」という私の経験則からの話になります。

私は、過去10年間で、介護、保育、障がい、などの福祉事業のフランチャイズやネットワークづくりを行ってきました。

その活動のなかで、一連の流れがあることが明確にわかりました。
介護、保育、障がいの3つの福祉分野で同じ流れを経験しています。

その流れとは、民間開放 ⇒数を増やす⇒ 質を高める、という流れです。

①民間事業者への門戸開放
福祉業界の認可事業は、その事業の特性柄、社会福祉法人、医療法人、自治体など限られた組織だけが運営できる事業です。

しかしながら、施設の不足など様々な要因や背景により、既存事業者だけでは、施設やサービスの需要を満たせなくなると、
厚労省が、株式会社などの民間事業者にも運営ができるよう法改正を行い、門戸を開放します。

②事業者の参入を促す=数を増やす
行政サイドとしては、まずは不足している福祉施設・サービスの数を増やさないといけませんので、
民間参入時からある程度の参入がなされるまでは、施設そのものへの助成金が存在したり、
事業者へ支払う報酬(補助金)を手厚くし、参入者を増やします。

③事業者のサービスの質の向上
次に参入者が増えてきますと、認可事業といえども、利用者が福祉施設・サービスを選ぶため、事業者間の競争が始まります。

それまでは福祉施設・サービスが不足しており、福祉事業者は開所できれば利用者が集まる状態でしたが、福祉施設・サービスの数が満たされ、利用者が選べるようになると、福祉事業者は、選ばれるようにサービス品質の向上の努力を行わなければならくなります。

また厚労省は、人員の要件の厳格化と報酬改定を行い、より福祉事業者に更なる競争を促します。
結果として、利用者へのサービス品質が高く、経営が上手な事業者だけが残り、怠慢な事業者は撤退せざるを得なくなり、業界全体のボトムアップに繋がっていくのです。

事業者が撤退すると、そこを利用していた利用者がどうなるか。
私の知る限り、既存の事業所で利用者を受け入れる、M&Aで施設ごと人材ごと吸収する、など、勝ち残った事業者が受け皿となり、より事業拡大に繋げています。

福祉事業は、上記の一連の流れがありますので、もし参入される場合は、新しく民間事業者に開放されるタイミングが良いと考えます。

事実、私が提案していた福祉のフランチャイズも、後発で加盟された方より、世間が様子見している状態の初期にお取組み頂いた方のほうが成功されているケースが多かったです。

今回、私の実体験で福祉の認可事業をテーマに書きましたが、PEST分析につながる話だと思います。今回のケースですと、Pの政治に該当します。

福祉業界に限らず、どの業界でも新しい新規サービス、新規事業に取り組む際は、PESTの視点を取り入れて見てみると、ビジネスチャンスに気付きやすくなると思います