フランチャイズチェーンにおける企業理念の重要性について触れたいと思います。
経営理念と記載するほうが一般的かもしれませんが、お世話になっている経営者から伺った話で「企業の企は、何か計画するという意味だが、本来は、漢字が表しているように、人を留める、という意味がある。つまり、人(従業員だけでなく、お客様、株主、取引先、その他ステークホルダー)がその会社に留める、留まりたい、そう思わせる存在を追求すると考えると、企業理念という言葉が良いと考えている。」という話に共感してから、私も企業理念という言葉を使うようになりました。
さて、冒頭から少し脱線しましたが、フランチャイズビジネスも企業経営のひとつの手段、スタイルでしかありませんので、フランチャイズだから何か特別か、というと全く特別なことはなく、同様に重要であります。
フランチャイズ本部にとって、素晴らしい企業理念は、一言でいえばチェーンマネジメントに有効だからです。
もう少し具体的にフランチャイズチェーンにおける企業理念の重要性を見ていきますと
フランチャイズ本部にとっては、
・どうチェーンを率いていくのか、経営判断の基準、拠り所
・組織風土、社風の土壌
・従業員の考え方や行動に一貫性の創出
等が期待できます。
加盟店や社会にとっては、
・フランチャイズチェーンの方針の明示
・お客様に対する加盟店の行動規範の明示
・社会的責任の明示によるチェーン外部からの信頼醸成
等が期待できます。
上記なことが期待できますので、フランチャイズ本部構築・パッケージのコンサルティングのご依頼頂いた際は、まず企業理念の見直し、作り直しから行っています。
万一、既存の企業理念が、フランチャイズ展開が既存とは異なる新しい業態でそぐわない場合は、フランチャイズチェーン用の企業理念(事業理念)を創ることも一つの手です。
また、企業理念が単なるお飾り、形骸化しないよう、従業員、加盟店に理念が定着し行動に現れなければ意味がありませんので、理念研修の導入、朝礼唱和、クレドカード、人事評価制度など、その仕掛け、仕組みづくりも当然に大切です。
今回は、企業理念をフランチャイズチェーンの視点で触れてみました。