フランチャイズ

2019.04.1

末広がりするフランチャイズの8つのポイント

フランチャイズ本部検討者・加盟検討者向け

これからフランチャイズ化する、フランチャイズ本部としてスタートを切る経営者にとって、自社のフランチャイズチェーンが、どこまでスケールしていくか気になるところです。

同様に、フランチャイズ加盟検討をしている方も、自身が検討しているフランチャイズが将来どれほど伸びていくか気になります。

短期間で規模感あるフランチャイズチェーンの業態にはいくつか共通点が見受けられ、該当が多ければ多いほど、スケールの可能性が高くなると思われます。

そのポイントを見ていきます。

 

①成長分野
中長期的な成長基調にある業界(業態)に属しているかどうか。

日本の多くの業界は縮小傾向にありますが、PEST(経営のマクロ環境分析の視点)の変化によって新しく市場が生まれたり、もしくは、属する業界そのものは縮小しつつも、そのなかで成長しているニッチな分野が存在しており、そこに属している業態であることが大切です。

 

②低投資
経験則となりますが、フランチャイズ加盟で事業立ち上げに必要な総投資額が
・個人を加盟店の対象の場合、1,000万程度
・法人を加盟店の対象の場合、2,000万程度
に収まると、事業資金予算から見ても加盟検討者が多く、スムーズな加盟開発が可能となります。

③投資回収期間の短さ
昨今、経営環境が目まぐるしく変化し、先行きが読めないことが多いため、フランチャイズ検討者は投資回収期間が短いことを好みます。

昨今5年回収でも長い印象を持つ経営者が増えた印象があり、出来れば投資回収目標期間3年以内の高い利益率のビジネスが好まれます。

 

④競争優位性(差別化)
競合他社や類似業態が存在しないことは皆無だと思われますが、競合に打ち勝てる競争優位性をフランチャイズ本部が持っているかどうか、また、その差別化しているものが他社に真似されにくいものかどうかが重要となります。

色々なフランチャイズのなかから、そのフランチャイズに加盟する理由、加盟店のベネフィットとなる大切な部分です。

 

⑤人的依存性の低さ
人材依存度の低さとは、少人数で適切に運営ができること、また人材のスペックを問わないこと、
の量と質の二つを意味しています。

多くの企業が人材採用に苦労しており、不人気業種では人材不足が原因で廃業する企業も現れています。そのため、フランチャイズを加盟検討の際、その業態の適切な運営に必要な人数が少ないこと、そして、その人材の必要なスペックを検討基準に入れる企業が増えています。

フランチャイズ本部としては、マニュアル、研修、システム等を活用して、加盟店に本部の品質基準を誰にでも再現させる仕組みを作るかが重要になってきます。

また、どうしても熟練を要するスタッフが必要なビジネスの場合は、社員独立制度(のれん分け)や本部による運営受託モデルを活用する方法があります。

 

⑥商圏の狭小性
狭い商圏で成り立つビジネスであればあるほど、より多くの出店が可能となります。

当然ですが、日常生活に馴染みのあるサービスやターゲットとなる顧客の属性が特殊ではないビジネスは、非日常的なサービスや例えば富裕層を対象としたビジネスに比べると当然に商圏が狭まります。

また、今までにない、新しいサービスの場合は、イノベーター、アーリーアダプターが多い可能性の高い都心部からスタートし、啓蒙によって新しいサービスの認識に伴い、郊外、地方へ広げ、ビジネスが成り立つ商圏を狭めていきます。(顧客を増やしていきます。)

 

⑦店舗開発の容易性
上記⑥の商圏の狭小性に関連しますが、店舗開発(適切な商圏内で適切な物件の取得)のし易さもフランチャイズ展開のスピードと出店数に大きく影響します。

駅近がマストなのか離れていても問題ないのか、また、路面店、商業施設、ロードサイド、デリバリーサービスのように立地や物件はそもそも問わないのか、など業態ごとに適切な物件基準がありますので、それをクリアした物件の取得のしやすさが大切となります。

また、フランチャイズチェーンの拡大に伴い、例えば、本部の推奨立地が商業施設内である業態をロードサイド店舗でも成功できるようモデルを変えるといったように、様々な立地に対応できるようモデルを変えていくことで、店舗開発の幅を広げることも一つの手です。

 

⑧社会貢献度の高さ
これは、検討事業として選ばれやすい点とフランチャイズ本部代表としての対加盟店への求心力の2つに影響します。

売上が立つということは、誰かのニーズを満たす、課題解決をした対価を企業が得ているわけですから、社会貢献性がゼロというビジネスは基本的には無いと思いますが、より社会貢献度が高く、事業として成り立つビジネスに興味を持つ経営者は非常に多いように感じられます。検討対象として、選ばれやすくなります。

また、加盟店に対するフランチャイズ本部への求心力という点においては、事業理念を共にする加盟店と言えど、バックボーンや価値観が異なる独立した企業体のため、本部が力強くチェーンマネジメントを行うためにも、そのフランチャイズ業態の社会における存在意義の訴求、啓蒙が必要になります。

 

以上、フランチャイズチェーン成長力8つのポイントを見てきました。
是非、参考にしていただければと思います。